宮古崎トンネルが貫通 2キロ短縮、21年度以降供用 根瀬部―国直間の峠解消へ

2019年11月02日

政治・行政

 

鏡開きを行って宮古崎トンネルの貫通を祝う関係者=1日、奄美市名瀬の根瀬部側坑口付近

鏡開きを行って宮古崎トンネルの貫通を祝う関係者=1日、奄美市名瀬の根瀬部側坑口付近

 県が2017年度から掘削工事を進めてきた主要地方道名瀬瀬戸内線の奄美市根瀬部―大和村国直間を結ぶ「宮古崎トンネル」(延長2316メートル)の貫通式が1日、現地であった。県や両市村、施工業者の関係者ら約60人が出席し、通り初めや鏡開きをして節目を祝った。供用開始は21年度以降の見込み。

 同トンネルは全長5・2キロ(標高160メートル)の峠越えの解消を目的に、14年度に事業着手。開通すれば距離で約2キロ、自動車の移動時間で約5分短縮される。

 同区間では10年、11年と相次いだ豪雨で崖崩れが多発した。国道58号線の代替道路に位置付けられていることに加え、防災面や救急搬送、日常生活の利便性の向上、観光面などへの効果が期待されている。

 貫通式では金子万寿夫衆院議員らが貫通発破のボタンを押し、通り初めをした。発注者を代表して松本俊一県大島支庁長は「全体の早期完成に向けて取り組むと同時に、今後も災害に強い道づくりを進めていきたい」とあいさつ。朝山毅奄美市長や伊集院幼大和村長も祝辞を述べ、開通に期待を寄せた。

 県大島支庁建設課によると、工事のみの事業費は約49億円。今後は20年6月までに出入り口と内部の工事を終え、照明や消防設備などの工事に入る。

 同トンネルが完成すると奄美大島では国道58号線の網野子トンネル(延長4243メートル)、新和瀬トンネル(同2435メートル)に次ぐ長さ。県道のみでは大和村の長瀬トンネル(1432メートル)を抜いて島内最長、県全体でも肝付町の国見トンネル(3300メートル)に次いで2番目の長さとなる。