廃蛍光管 9月から回収へ 奄美大島5市町村

2019年07月08日

政治・行政

名瀬有屋町で試験導入された蛍光管の拠点回収ボックス=6月26日、奄美市

名瀬有屋町で試験導入された蛍光管の拠点回収ボックス=6月26日、奄美市

 奄美大島5市町村は9月から、家庭に出る使用済み蛍光管の分別回収をスタートする。奄美市では70カ所に専用ボックスを設置するほか、名瀬地区は資源ごみ収集日にも車両回収を行う。家庭用蛍光管のリサイクルは国のガイドラインで努力義務にとどまっているものの、奄美大島は県内自治体の中でも取り組みが遅れている。奄美市環境対策課は「世界自然遺産登録を目指す中、5市町村が足並みをそろえて有害ごみ対策に取り組みたい」と話している。

 

 蛍光管に含まれる水銀は健康被害を引き起こす恐れがあり、事業所には産業廃棄物としての処分が義務付けられている。一方、家庭から出たものは自治体によってルールが異なる。

 

 奄美市環境対策課によると、県内19市のうち蛍光管をリサイクルしていないのは奄美市を含む3市。名瀬クリーンセンターでは一般廃棄物(不燃ごみ)として最終処分場に埋め立て処理されている。作業中に職員が蛍光管から漏れた水銀と接する可能性もあるため、関係市町村では昨年度から分別回収に向けた協議を進めてきた。

 

 奄美市は▽拠点回収ボックス設置▽資源ごみ収集日の車両回収(名瀬地区全域)―の2方法を実施する。

 

 専用ボックスは名瀬(三方地区のみ)25、住用14、笠利28、3総合支所の計70カ所に配置。普段の管理は町内会や集落に依頼し、一定度集まった時点で市職員が回収に向かう。一部地域では既に試験導入されている。

 

 各自治体では7月から8月にかけて周知を行い、9月に一斉スタートする。同課は市民に理解と協力を呼び掛けるとともに、「ボックス設置対象外の地域でも要望があれば問い合わせてほしい」と話している。