日本ジオパーク委へ申請書 最短25年中の認定目指す 5月に公開プレゼン 喜界町
2025年04月24日
政治・行政

喜界島を構成するすべての段丘を一望できる「テーバルバンタ」から見える島の風景=喜界町、2024年12月11日撮影
喜界島の日本ジオパーク認定を目指す同島ジオパーク推進協議会(会長・隈崎悦男喜界町長)は23日、審査機関である日本ジオパーク委員会へ認定審査に必要な申請書を提出した。今年5月に千葉県である公開プレゼンテーションの結果次第で、6~9月に調査員による現地調査が行われる。認定が適当と認められた場合、早ければ2025年中に奄美群島初の日本ジオパークが誕生する見通し。
喜界島は隆起したサンゴ礁が段丘を形成し、約10万年かけて現在の形状となった「隆起サンゴ礁の島」。10万年で200メートル、年平均で約2ミリという世界有数の隆起速度を誇り、サンゴ礁研究の聖地として知られる。24年夏には国際地質科学連合(IUGS)による第2回「世界地質遺産100選(セカンド100)」に認定された。
ジオパークは、「地球」や「大地」を意味する「ジオ」と「パーク(公園)」を合わせた造語。一種の自然公園で、地球を学び、楽しむための場所。25年1月現在、48地域が日本ジオパークに認定されている。
認定を受けることで、交流人口拡大による地域活性化や、サンゴ礁などの環境保全の推進、島民の古里への誇りの醸成といった効果が期待できる。
喜界町は18年6月に基本構想検討委を立ち上げ、19年3月に「ジオパーク基本構想」を作成。23年6月にはジオパーク推進協議会を設立し、ロゴマーク作成や、「見どころ」となるジオサイトの整備などを進めた。またジオを学ぶ公民館講座やツアーなどを通じ、地元住民の意識形成や観光・教育分野との連携推進にも取り組んでいる。
同協議会事務局の上地義隆事務局長は「申請はあくまでスタートライン。今後の公開プレゼンテーション、現地調査に向け、気を緩めることなく取り組んでいく」と述べた。