沖縄県庁で離島行政に奮闘 奄美市から派遣の喜入さん

2019年07月31日

政治・行政

沖縄奄美連合会定期総会の会場で笑顔を見せる喜入さん=21日、沖縄県那覇市

沖縄奄美連合会定期総会の会場で笑顔を見せる喜入さん=21日、沖縄県那覇市

 4月から沖縄県庁に派遣されている奄美市職員の喜入崇之さん(36)。沖縄県企画部の離島振興班で離島行政に携わっている。主な担当は、一括交付金による「沖縄離島体験交流促進事業」。沖縄本島の子どもたちに離島での生活を体験してもらうもので、県内49校、3千800人の児童が活用している。

 

 奄美市笠利町出身。赤木名小卒。中高一貫の鹿児島育英館を卒業後、宮崎大学農学部で森林の生態系について学んだ。2010年に奄美市に入庁。国保年金課、建築住宅課、秘書、文書法制係を経て、直近は保護課でケースワーカーを務めた。10年目の今年、沖縄県庁に派遣され、初めて補助事業を担当。慣れない業務に戸惑いながらも、流れをつかもうと日々奮闘している。

 

 在沖奄美出身者の郷友会にも参加。7月21日にあった沖縄奄美連合会(奥田末吉会長)の定期総会では司会を任された。奥田会長も「奄美の将来を担う素晴らしい若者」と期待を寄せる。

 

 派遣期間は2年。この間に沖縄の37ある有人離島を全て回りたいと考えている。

 

 喜入さんは「奄美と似ているところや違うところを実際に見て知りたい。沖縄は奄美よりも進んでいるが、進みすぎているところもある」と話し、「奄美に帰ったときに生かせるような経験を積みたい」と目を輝かせた。

 

 奄美市は旧名瀬市時代の1996年から研修と人材交流を目的に沖縄県への職員派遣をスタート。休止期間を挟んで2年ごとに入れ替え、喜入さんで11人目。