農業産出額314億円 前年度を4・2%下回る バレイショ生産減など要因 22年度奄美群島

2025年04月05日

政治・行政

 県大島支庁がまとめた2024年度版「奄美群島の概況」によると、22年度の奄美群島の農業産出額は前年度を4・2%下回る314億3500万円だった。バレイショの生産量減少や肉用牛の子牛価格低迷があったものの、花卉(かき)が好調に推移したこともあり、4年連続で300億円台を維持した。農作物作付面積は1万4971ヘクタールで、前年度比85ヘクタール減少した。

 

品目別では21年度後半から子牛価格が低迷したことから、肉用牛は前年度比2億3300万円減の101億1400万円。サトウキビは生産量や平均甘しゃ糖度の減を要因に、同1億8700万円減の93億900万円。野菜は作付面積の8割超を占めるバレイショの生産量が、前年度より2割減少したことなどに伴い、同14億6900万円減の71億2700万円。花卉28億5600万円、果樹14億2000万円、葉タバコ3600万円などと続いた。

 

主要作物の作付面積はサトウキビが8156ヘクタールで全体の54・5%を占め、飼料作物3174ヘクタール、野菜2634ヘクタール、果樹622ヘクタール、花卉148ヘクタールなどの順。

 

肉用牛の飼養頭数は3万5400頭で、前年度比400頭の増。島別では徳之島が半数を超える53%で、与論島16・18%、沖永良部島15・65%、喜界島7・77%、奄美大島7・4%。全体の飼養戸数は1532戸。1戸当たりの飼養頭数は23・1頭と規模拡大が進んでいる。

 

サトウキビは収穫面積が75ヘクタール減少したことに伴い、生産量は前年比2・9%減の37万8170トン。平均甘しゃ糖度は同0・52度低かったが、14・74度と高品質だった。

 

農業の担い手となる認定農業者数は1112戸。営農類型別では複合農家が472戸で、単一・準単一経営の品目では肉用牛(251戸)、サトウキビ(217戸)、露地野菜(52戸)の順で多かった。新規就農者は前年度比5人減の27人だった。