選挙戦は終盤へ 衆院選鹿児島2区

2021年10月29日

政治・行政

衆院選鹿児島2区の立候補者の街頭演説に耳を傾ける有権者=28日、枕崎市

 衆院選は、31日の投開票に向けて選挙戦も終盤に突入した。奄美群島を含む鹿児島2区に立候補した3人は28日も選挙区内を精力的に遊説し、各地で街頭演説をこなしながら政策や国政への思いなどをアピール。各陣営とも「勝敗を左右するのは谷山票」とみており、終盤戦の重点を浮動票が多いとされる鹿児島市谷山地区に置いて、支持者獲得に全力を注ぐ。

 

 2区の立候補者は届け出順に、共産党新人の松崎真琴さん(63)、自民党前職の金子万寿夫さん(74)、無所属新人の三反園訓さん(63)。

 

 九州・沖縄ブロックの比例代表候補でもある松崎さんは、福岡や熊本など選挙区外での活動もこなしながらの選挙戦。28日は南薩地域に選挙カーを走らせ、各所で街頭に立ってマイクを握り、政権交代の必要性などを訴えた。

 

 米重均選対本部長は「女性や若い世代からの反応は良く、手応えを感じている。野党統一候補の松崎さんを選択しようという動きもあり、投票率が上がれば追い掛ける展開から混戦状態に持ち込めると考えている。最後は谷山を中心に少しでも支持を広げたい」と話した。

 

 金子さんは25日に地元・奄美大島入りした後、県本土に戻り、総決起大会などを開いて支援を呼び掛けた。28日は南薩地域を巡り、街頭演説では支援者らを前に農業振興策などに触れて、さらなる支持拡大を図った。

 

 山田宏之顧問は「投票率は前回並みと予想している。南薩地域は投票率アップを見込んでいるが、谷山は読めないため、地元奄美の結果が重要になってくる。接戦で大変厳しい選挙。有権者に支持を訴え、投票に行ってくださいと声掛けをしていくしかない」と話した。

 

 三反園さんは25日から2日間かけて奄美大島、徳之島を遊説。その後は地元の指宿市など南薩地域や谷山地区を選挙カーで回り、政治記者や県知事時代の経験、人脈を強調して支持を訴えている。

 

 佐藤英事務所長は「幅広い支持を得られていると感じているが、組織に対抗するために最後まで危機感を持って必死にやっていく。奄美での反応は良く、三反園候補は元気をもらって島から帰ってきた。つじ立ちなど本人が1年余り1人でやってきたことが有権者の投票行動につながるはず」と話した。