飲食業者にエコ弁当容器配布 感染症対策と環境保護へ 瀬戸内町

2021年04月03日

政治・行政

 町職員から弁当容器を受け取る飲食店事業者=3月31日、瀬戸内町古仁屋

町職員から弁当容器を受け取る飲食店事業者=3月31日、瀬戸内町古仁屋

 新型コロナウイルスの影響でテークアウトに取り組む飲食店事業者らを支援しようと、瀬戸内町はこのほど、町内の35事業者へ持ち帰り用の弁当容器計2万400個と、割り箸1万2000本を無料配布した。弁当容器はサトウキビの搾りかす「バガス」を原料にしたもので、割り箸は端材や間伐材を利用したもの。町担当者は「感染症対策とともに、世界自然遺産登録を目指す奄美大島でエコ素材の利用促進につなげてもらいたい」と話した。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けている飲食業界では、食事を持ち帰りで提供するテークアウト事業に活路を見いだそうとする動きが広がっている。瀬戸内町では昨年、町民有志がテークアウトに取り組む町内の店舗をまとめた情報サイト「せとうちストグレ飯」を公開した。

 

 同町が今回購入した弁当容器は3種類。いずれも水や油に強く、電子レンジや電気オーブンの使用にも耐えられるほか、土に埋めると数カ月で分解されるという。2月10日に実施した事前説明会で町は、森林保護や脱プラスチック、二酸化炭素削減などの面を強調し、「自然保護の取り組みのアピールにもなる」と呼び掛けた。

 

 ランチメニューで丼ものや鶏飯などを提供している同町古仁屋の「こにや紡ぐや」は3月31日、弁当容器1175個と箸400本を受け取った。店主の永井京子さん(65)は、「店を訪れる観光客も今後増えてくると思うので、支援はとてもありがたい。飲み物の容器もエコ素材への切り替えを検討したい」と話した。

 

 弁当容器の配布は同町の「飲食店応援! エコ素材PR事業」の一環。国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した。事業費は計150万円。

 

サトウキビの搾りかすを原料とした弁当容器3種

サトウキビの搾りかすを原料とした弁当容器3種