10万円給付 「年内現金一括」は3町村 奄美群島

2021年12月16日

政治・行政

国が進める18歳以下の子どもへの計10万円相当の給付に関し、奄美12市町村では大和、瀬戸内、龍郷の3町村が、年内に現金一括での支給を予定している。現金5万円を年内に先行給付する予定が8市町村で、うち5町村は残り5万円分も現金で支給する方針。支給方法をめぐって政府の当初方針が変更されたこともあり、自治体の担当者からは「国からの情報がなかなか下りてこないので決められない」と不満も漏れた。

 

政府方針では当初、5万円は現金で年内、5万円相当は消費喚起を目的に来年春ごろにクーポンで給付するとしていた。政府は14日、給付に係る方針を策定し、①現金一括給付②現金5万円とクーポン5万円の分割給付③現金5万円を先行支給し、残り5万円を追加で現金給付―の三つの方法を盛り込んだ。

 

現金で一括給付する大和村は22日、龍郷町と瀬戸内町は年内をめどに、対象世帯への振り込み準備を進めている。龍郷町は当初、現金5万円を先行給付する計画で対象世帯へ通知書を送付したが、その後、一括給付に切り替えたため、15日に変更通知を送り直した。

 

現金5万円を先行給付するのは、奄美市(支給日・24日)、宇検村(同・28日)、喜界町(同・年内)、天城町(同・23日)、伊仙町(同・年内から順次)、知名町(同24日)、与論町(同・23日)。このうち宇検、喜界、伊仙、知名、与論は追加分も現金で支給する計画。奄美市と天城町は、クーポンにするかを含め今後、決定する。

 

和泊町も年内に現金5万円の先行支給を予定しているが、一括給付も視野に検討中としている。徳之島町は支給方法について検討中とし、担当者は「国の明確な指針が示され、内容を把握した上で決定する」としている。

 

各自治体では、現金支給の財源を盛り込んだ21年度補正予算や専決処分で対応。政府方針の転換に翻弄(ほんろう)された自治体もあり、奄美の自治体担当者からは「市町村の事務のことも考えてほしい」「準備を進めていたにもかかわらず方針が変更され、混乱した」といった声が聞かれた。