「奄美らしさ守り伝えて」 宮崎緑さんが記念講演 県建築士会奄美・大島支部70周年

2024年05月11日

地域

県建築士会奄美・大島支部創立70周年記念で講演した宮崎緑さん=10日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA

県建築士会奄美・大島支部(重信千代乃支部長、正準会員120人、賛助会員81社)の創立70周年記念講演会「神々の宿る街づくり」が10日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。県奄美パーク・田中一村記念美術館(奄美市笠利町)館長の宮崎緑さんが住環境と文化などをテーマに講演し、「奄美らしさとは何かを見据えて未来へ守り伝えて」などと語った。

 

宮崎さんは元ニュースキャスターで、千葉商科大学国際教養学部教授。専門は国際政治学。2001年の奄美パーク・田中一村記念美術館の開館時から館長を務めている。

 

講演では、宮崎さんが世界各国の都市の成り立ちと文化の関係性について説明。都市の軸となる街並みの特徴を「文化遺伝子」と呼び、住環境の中の「その土地らしさ」を構成するものについて考察した。

 

宮崎さんは奄美大島では主に▽神を据える後背地の山▽神を招き入れる海▽山と海の間の生活の場―で集落が構成されているとして、「街並みそのものが自然観や宗教観を表している。時代に合わせて街づくりは変化するが、守るべき部分を伝えながら進化させてほしい」と話した。

 

講演会は同支部の地域貢献活動の一環。約300人が来場した。伊集院平應前支部長による奄美の伝統的な建築方式「ヒキモン構法」の解説もあった。講演の前には2024年度総会があり、重信氏の新支部長就任と24年度事業案を承認した。