ピアノと歌で追悼 3・11犠牲者へ鎮魂の祈り 奄美市名瀬

2025年03月12日

地域

東日本大震災犠牲者の鎮魂と復興への祈りを込めて歌声を響かせる参加者ら=11日、奄美市名瀬

東日本大震災から14年を迎えた11日、追悼セレモニー「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」が県内8カ所を含む全国12道府県21会場で開かれた。奄美会場のAiAiひろば(奄美市名瀬)には地域住民ら約80人が集い、ピアノの調べに乗せて歌声を響かせ、犠牲者の鎮魂と復興への祈りをささげた。

 

同セレモニーはすべての被災地へ黙とうをささげ、復興と平穏を祈り、自らの防災意識を高める日として2012年に鹿児島で始まり今年で14回目。奄美会場は第5回から加わった。

 

街角などに設置され誰でも自由に弾けるストリートピアノの日本での始まりは、11年2月に鹿児島中央駅近くの一番街商店街に設置されたものとされる。セレモニーは被災地にピアノを贈るための募金活動の場にもなっている。

 

会場では地震発生時刻の午後2時46分に黙とうがささげられた後、地元の女声合唱団クール・ド・ナチュール(保禮子代表)と海外で声楽を学んだ奄美市名瀬の宮原海さん(28)がピアノの伴奏に合わせて童謡「ふるさと」と復興支援ソング「花は咲く」を歌い上げた。来場者には歌詞カードが配られ、みんなで被災地に向けて歌声を届けた。

 

セレモニー後は宮原さんによる独唱やクール・ド・ナチュールのミニコンサートがあった。

 

奄美会場の実行委員会会長の保宜夫さん(83)は「災害が次々と起こる中、東日本大震災を風化させてはならない」。会場を訪れた同市名瀬の浜口妙子さん(76)は「被災地のための集いに参加、協力できててよかった」とそれぞれ話した。