ホテルへの自主避難も 瀬戸内町では施設を解放

2020年09月06日

地域

開放されたホテルの会議室に身を寄せた地元住民たち=5日午後2時半ごろ、瀬戸内町古仁屋

開放されたホテルの会議室に身を寄せた地元住民たち=5日午後2時半ごろ、瀬戸内町古仁屋

 台風10号の接近に伴い、奄美でも自治体の避難所のほか近隣のホテルに自主的に避難する人もいた。瀬戸内町古仁屋のライベストイン奄美(山田洋之代表取締役)は4日、2階会議室を無料で開放。利用した住民たちは「これまでにない規模と聞いて避難を決めた」「ずっと島に住んでいるが、こんなことは初めて」と不安そうに話した。

 

 同ホテルは3日から宿泊予約が殺到し、4日には全23室が満室になった。住民の不安を感じた山田代表は3日に会議室の開放を決め、SNS(会員制交流サイト)などで利用を呼び掛けた。水やレトルト食品など300食分を確保したほか、停電に備えて自家発電機も用意した。

 

 5日午後2時半には30畳ほどの部屋に6世帯が身を寄せた。同町嘉鉄の橋村浩茂さん(46)は、2歳と5歳の子どもを含む家族5人で避難。「台風で避難するのは初めて。家は海の近くなので今回は高潮が怖い。近くの人もみんな避難したと聞いている」と話していた。

 

 フロントの女性は「これまで台風で宿泊者がゼロになったことはあるが、満室になるのは初めて。冷房も完備しているので、安全な場所で過ごしてほしい」と話していた。