初フライトは奄美に ピーチ特別塗装機が就航
2021年03月06日
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格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション(大阪府泉佐野市)は5日、奄美デザインを取り入れた特別塗装機での運航を開始し、関西空港発の第1便が同日午後に奄美空港に到着した。2019年に同社と統合したバニラエアの機体で使用されていた鮮やかな黄色が印象的なデザイン。奄美空港では「おかえりバニラ おおきにピーチ」と書かれた手作りの横断幕も掲げられ約1年半ぶりに再会した黄色い機体を歓迎した。
機種はエアバスA320(定員180人)。機体には「Fly Peach to AMAMI」の文字があしらわれている。文字にはアマミノクロウサギやルリカケス、リュウキュウアサギマダラ、本場奄美大島紬の柄などのデザインを取り入れた。
バニラエアは19年8月31日まで5年2カ月、奄美空港路線を就航し、同年10月にピーチ社と経営統合した。改修を終えて塗装変更のために関西空港に着陸したバニラエアの機体を見た航空ファンから「バニラエアの黄色いデザインのまま運航してほしい」とSNS上での多くの声が上がり特別塗装機での復活が決まったという。
午後1時半ごろに奄美空港に到着した第1便には乗客64人が搭乗。中には熱心な航空ファンの姿もあった。初フライトを知り、すぐに予約を取ったという男性は「バニラやピーチで奄美には8回ほど来ている。バニラの機体が無くなるのは寂しかったので再会はうれしい。記念になる瞬間に立ち会えたことをピーチに感謝したい」と笑顔を見せた。
関西空港ではピーチ社の森健明代表取締役やスタッフが初フライトを見送るセレモニーもあった。同機体は今後、同社の国内線全路線に就航するという。同社広報は「LCCとして奄美航路を開拓したバニラへの感謝を込めて初フライトは奄美に決まった。今後も全国で奄美のPRに活用したい」とコメントを寄せた。