喜界島でソテツ被害初確認 奄美大島に次いで群島2例目 害虫カイガラムシ

2025年03月07日

地域

ソテツシロカイガラムシの被害を受け、伐倒駆除されたソテツ。飛散防止のためブルーシートがかけられている=5日、喜界町

2022年10月に奄美大島で初確認され、ソテツの葉や幹、根に寄生し枯死させる外来種「ソテツシロカイガラムシ」(通称CAS)がこのほど、喜界島で初めて確認されたことが分かった。喜界町では6日現在、赤連地区の被害木9本を伐倒駆除してしており、同地区以外への拡大は確認されていない。奄美群島でのカイガラムシ確認は奄美大島に続いて2例目。

 

カイガラムシは植物に付着して幹や枝、葉の汁を吸って弱らせる害虫。被害が進むと黄白色、褐色になり、激しい場合は枯死する。

 

奄美大島では21年夏、奄美市名瀬の一部地区で少数のソテツ被害が確認され、調査した県森林技術総合センターが22年末、国内初確認のCASと発表した。県によると奄美大島5市町村で視認された推定被害本数(24年2月末現在)は2555本。23年3月には沖縄県国頭村でも確認されている。

 

喜界町によると喜界島では1月31日、島内在住の県職員が被害を発見し、県大島支庁を通じて町に連絡があった。現場は赤連地区の私有地だったことから、町は所有者の許可を得た上で、奄美大島森林組合喜界支所が被害木9本を根元から伐採。県が検査機関に照会して、2月21日にCASと特定された。

 

伐採した被害木はCASの飛散を防ぐため、ブルーシートをかけて敷地内に置いており、今月中に町クリーンセンターで焼却処分する予定。今後は赤連地区周辺を重点的に隔週でパトロールを行い、被害の早期発見に努める。

 

喜界島への侵入経路について、県大島支庁林務水産課は「人や物に付着して持ち込まれた可能性もあるが沖縄県でも発生しており、奄美大島から来たとも言い切れない。移動経路は不明」と説明。被害拡大を防ぐため、住民に対し「被害を発見したら自治体へ連絡を」と呼び掛けている。

 

また瀬戸内町の加計呂麻島でも昨年11月、県道沿いを中心にソテツ被害が確認された。被害は今年2月末現在、瀬相、俵、瀬武、嘉入、芝の5集落で計7本。被害木の同定は行っていないため、CASとの関連は分かっていない。