地質から島の成り立ち学ぶ 金見崎海岸、ムシロ瀬で観察会 徳之島
2021年02月22日
地域
環境省徳之島管理官事務所主催の自然観察ツアーイベント「島の地質のふしぎと世界自然遺産」が21日、徳之島であった。島内から約30人が参加して景勝地を巡り、地質から島の成り立ちについて理解を深めた。
島の地質を学び、世界自然遺産登録への関心を高めようと開催。日本地質学会員で元徳之島高校教諭の成尾英仁さん(70)を講師に招き、徳之島町の金見崎海岸と天城町のムシロ瀬を巡った。
金見崎海岸では約9000万年前に水深4000~5000メートルの海溝で、堆積物が地震などで混ざり合って形成された地質体「メランジュ」の構造などについて解説。マグマが地表で冷え固まる過程でヒビが入り、独特の景観をつくった徳之島北部に広く分布する花こう岩の特徴も説明した。
成尾さんは「ツアーを通じて生物多様性の土台になっている土地の成り立ちを知っていただき、世界自然遺産登録への機運が高まることにつながれば」と期待を寄せた。
金見崎海岸のツアーに参加した中学校教諭の西山千春さん(45)は「徳之島でしか見ることのできない地質の成り立ちを知ることができ、勉強になった。今度は子どもを連れて観察したい」と話した。