徳之島のごみ処理法探る 3町広域連合がシンポジウム 伊仙町ほーらい館
2019年03月03日
地域
徳之島愛ランド広域連合主催のシンポジウム「みんなで考える徳之島のごみ処理の明日」が1日、伊仙町のほーらい館であった。基調講演や地元団体の活動発表があり、来場者はごみ処理の新技術やさまざまな地域の取り組みから徳之島に適したごみ処理法を考えた。
徳之島3町のごみ処理場「徳之島愛ランドクリーンセンター」の施設整備基本構想検討委員会の小原幸三委員長(68)は、2003年に運用を開始した同センターが設備の更新時期になったとして、「家庭から出るごみがどのように処理され、どこに改善点があるか徳之島の皆さんと共有し、新しい設備の構想に生かしたい」とシンポジウムの趣旨を説明した。
基調講演の講師は日置市市民生活課環境2係の久木崎稔係長(49)=日置市、㈱丸山喜之助商店の丸山明紀代表取締役(47)=同、(一社)NIPPON紙おむつリサイクル推進協会の須東亮一会長(63)=愛知県=の3人。
久木崎さんは日置市が2017年度からごみステーションに生ごみ回収用容器を常設し、24時間いつでも利用できるようにした取り組みを紹介した。その結果、同年度は前年に比べて同市の可燃ごみが年間約1100トン減り、約2800万円の節税になったと報告。生ごみをたい肥にして再利用する仕組みもあり、「生ごみは資源になる」と語った。
丸山さんはリサイクルが困難な紙・木くず、繊維くず・プラスチックなどを原料に固形燃料を製造するごみ処理法「RPF」を紹介し、「ごみを燃やさないで再利用する選択肢もある」とした。RPFは屋久島町が導入の検討を進めているという。
須東さんは紙おむつはパルプや固形燃料、たい肥になるといい、「徳之島に適した処理が何かを中心になって議論し、決めるのは島の人たちです」と呼び掛けた。
町内外から82人が来場。質疑応答で来場者から「徳之島は畜産が盛ん。生ごみが家畜の飼料に加工できればいいのでは」といった提案もあった。
地元団体の活動発表では、同町の阿権、面縄の2小学校や地域住民が環境教育や児童による美化活動などを報告した。