新救急艇「おおとり」が就航 瀬戸内町

2020年04月23日

地域

就航した4代目の救急艇「おおとり」=22日、瀬戸内町

就航した4代目の救急艇「おおとり」=22日、瀬戸内町

 瀬戸内町の救急艇「おおとり」の新船就航式が22日、同町古仁屋の瀬久井港であった。鎌田愛人町長は「救急患者の負担軽減と操船の安全性が向上しうれしく思う。島民が安心して住めるまちづくりにつながる」と救命率向上に期待した。

 

 救急艇おおとりは加計呂麻島、請島、与路島などの急患搬送用。陸路よりも時間を短縮できる同町の花天、管鈍、西古見、久慈も対象地域となる。県内唯一の救急艇。

 

 1999年に就航した旧船の老朽化に伴う更新で4代目。県内で特に自然条件などが厳しい離島を対象とした特定離島ふるさとおこし推進事業を活用し、建造費は約1億2千200万円。

 

 大島地区消防組合瀬戸内分署によると、近年の救急艇出動数は年間160~170件。海難事故や行方不明者捜索、火災などに対応している。瀬久井港に24時間体制で待機し、要請があれば救急隊員3人と船長1人の計4人が出動する。2部隊体制。

 

 新船は全長18・60㍍、19㌧。最大速力31ノット(60㌔弱)で、瀬久井港│加計呂麻島の生間港間は片道6分ほど。最大搭載人員は12人。

 

 操舵室が2階になったことで視界が広がり、操船の安全性が向上。操舵室からも救護室の様子が確認できる船内カメラも整備された。救護室の入口は旧船より高さ25㌢、幅10㌢大きく、室内は転倒防止のため段差をなくすなどバリアフリーにも配慮した。

 

 高木康介船長(33)は「少しでも町民の安全安心につながればと思う。1分1秒でも早く救命できれば」と話した。

救急艇「おおとり」の救護室

救急艇「おおとり」の救護室