有田さん証言記録展、姶良市で 母間海岸沖墜落/特攻隊員の最期に迫る

2018年08月02日

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住民の話を文章入りで描いた水彩画が並ぶ証言記録展=1日、姶良市の姶良公民館

住民の話を文章入りで描いた水彩画が並ぶ証言記録展=1日、姶良市の姶良公民館

 太平洋戦争中に徳之島町母間海岸沖で亡くなった特攻隊員の最期に迫った「証言記録展 徳之島の珊瑚の海に散った特攻隊員」が1日、姶良市の姶良公民館で始まった。母間出身の元小学校教諭有田義孝さん(76)=同市=が取材し、57枚の水彩画で表現した。当時を知る住民の証言を文章で添え、戦争の実相を伝えている。

 

 特攻隊員は1945年4月、知覧基地(現南九州市)から出撃した藤野道人軍曹=福岡県出身。有田さんは「戦闘死」とされてきたことに疑問を抱き、証言を集めた。機体にトラブルが起き、墜落した可能性があることが分かったという。

 

 島に迫る戦闘機に驚く少年、海に沈んだ機体を捜索する日本兵、藤野軍曹を弔う住民…。出身者ならではの臨場感ある描写が、来場者の関心を集めている。

 

 証言記録展は31日まで(11日は休館)。有田さんは「当時の状況を分かりやすく伝えるよう心掛けた。戦争や平和について考えるきっかけになればうれしい」と話した。