熱中症、牛も注意を 南大島農業共済
2018年08月13日
地域
連日暑い日が続く中、南大島農業共済組合は畜産農家らに対し、農家自身に加え、牛の熱中症にも注意を呼び掛けている。暑さが苦手な牛は、牛舎内の喚気不足や十分な飲水ができないと熱中症を起こし、重症化すれば死亡する恐れもある。同組合の松瀬達郎獣医師(47)は「喚気が悪い状態で扇風機を回しても熱風を送るだけ。常に外からの風を牛舎内に入れることを心掛けて」と話す。
沖永良部島では17年度末現在、和泊、知名両町で227戸が繁殖牛4876頭を飼養。同組合沖永良部支所によると、牛の熱中症は毎年6~8月ごろに見られ、8月は特に多いという。
同島では3日以降、最高気温が30度以上の真夏日が続いている。真夜中の最低気温も25度以上の熱帯夜が続き、高い日は30度を超す。
日中暑さが続き夜になっても気温が下がらないと、身体の熱を放出する機能が弱い牛は体内に熱が蓄積され、熱中症や暑熱ストレスによる悪影響を起こす。
目安として体温が39・5度以上(平熱は約38度)や開口呼吸、大量のよだれなどの症状がある場合は熱中症の可能性がある。「食欲不振や下痢)の症状にも気をつけて。子牛は特に要注意」(松瀬獣医師)という。
同組合は牛の熱中症対策として①夜間も含めファンや扇風機を回す②すだれなどで日よけを作る(直射日光を牛舎に入れない)③涼しい時間帯の放牧・水浴④飲水器を清潔に保つ―ことなどを呼び掛けている。
島内では工夫を凝らした暑熱対策を行う生産者も。知名町田皆で繁殖牛160頭を飼養している川平茂美さん(62)は約10年前から牛舎の屋根を水に溶かした石灰で白く塗装し、牛舎内の温度上昇を抑えている。
川平さんは「牛飼いにとって夏場の熱中症は特に気配りが必要。屋根の塗装をやる前と後で、5度程度牛舎内の温度が下がった。比較的コストも安く効果があるよ」と語った。