空き家問題解消へ 3地区に協力隊を配置 奄美市

2025年01月15日

地域

安田壮平市長から委嘱状を受け取った地域おこし協力隊の清水飛鳥さん(左)=14日、奄美市名瀬

増加する空き家の解消に向け、奄美市は2025年から新たに地域おこし協力隊を名瀬、住用、笠利の3地区にそれぞれ配置し、対策を加速させる。14日はその一人目で住用地区を担当する清水飛鳥さん(39)=群馬県出身=に委嘱状を交付した。清水さんは、2月に着任する2人の隊員や集落住民らと協力し、市内の空き家の実態把握や除却、流通の促進などに取り組む。

 

奄美市が2019年に実施した空き家調査によると、奄美市内の空き家は計1019件(名瀬639件、住用91件、笠利289件)。うち危険な状態の空き家(383件)と目視での状態確認が困難な空き家(30件)を除く636件は活用可能と判断した。

 

市は危険空き家の除去を進めつつ、活用可能な空き家の流通を促進し、移住・定住の増加につなげたい考え。

 

協力隊の具体的な活動内容は▽空き家相談対応▽現場確認・調査▽所有者特定業務▽集落や市職員と連携した空き家情報の収集▽空き家情報の管理―など。

 

地域おこし協力隊を活用することで官民と集落、空き家所有者が一体となった空き家対策の実施体制を構築する。

 

清水さんは協力隊になる以前は、東京都の会社の代表として、農作物販売やホームページ作成、ECサイト(インターネット上で商品販売するサイト)のコンサルティングなどに携わっていた。

 

14日は奄美市役所で地域おこし協力隊委嘱式があった。安田壮平市長から委嘱状を受け取った清水さんは「東京で培ってきた経験を基に、皆さんの期待に応えられるよう頑張っていきたい」とあいさつ。

 

安田市長は「空き家解消は人口を確保し、地域の活力を維持していく上でも大事な課題。行政もいろいろ頑張っているが、まだまだやらないといけない中、地域おこし協力隊に来ていただけるのは大きな希望であり、とても期待している。」などと激励した。

 

名瀬地区と笠利地区を担当する隊員は、2月にそれぞれ委嘱を受ける。協力隊の期間は3年で、清水さんは15日から28年1月14日まで。