職業病改善、労働損失解消へ 企業の生産性向上を支援 作業療法士が会社創業 奄美大島

2023年06月14日

地域

健康面の改善から企業の生産性向上支援に取り組む平城修吾さん=7日、奄美市名瀬

仕事が原因で起こる病気や障がい「職業病」の改善を図り、企業の生産性向上を支援する合同会社「Mellow Amami(メロウ・アマミ)」がこのほど、奄美大島で立ち上がった。同社代表で作業療法士の平城修吾さん(35)=奄美市名瀬=が問題意識を持つのは、職業病によって労働者が抱える心身の負担と企業側の労働・生産損失。関連分野の専門家と連携して原因分析などを行い、持続可能な改善策を検討する。こうした作業療法を生かした「健康経営支援」は国内でも例が少なく、奄美の草分け的存在となりそうだ。

 

作業療法士は、けがや病気で難しくなった身体動作の回復を支援する国家資格。平城さんは27歳で作業療法士となり、主に島内の病院でリハビリテーションに携わってきた。多くの患者と向き合う中で気掛かりだったこととして、職業病に悩む人々の姿があった。

 

作業療法で対処できる職業病は、例えば動作の継続、繰り返しなどで体に痛みが生じるような身体症状。国内でこれまでに行われた調査では、腰痛による業務遂行能力や労働生産性の低下を換算した経済損失額は年間約3兆円との試算も示されている。

 

平城さんによると、身近な職業病は▽力仕事に伴う腰痛▽デスクワークに伴う首や肩の痛み▽パソコン画面注視に伴う頭痛│などがあり、欠勤や通院に至るケースも少なくない。「痛みで労働効率は落ちるが、その損失は財務報告書面には表れない」と指摘する。

 

同社の健康経営支援サービスは、まず労働者の身体の状態や労働環境を調査して職業病の原因や労働損失などを分析。その結果を基に痛みの解消や軽減、予防を図る改善策を提案した後、継続的な観察を通じて改善効果を検証し「企業カルテ」として報告、共有する。

 

事業推進に当たっては、より質の高いサービスを目指し、国内の先進企業と提携している。さらに公認心理師、キャリアコンサルタントの国家資格も持つ平城さんの強みを生かし、独自の個人向けサービスとして職業選択や能力開発、人間関係、ストレスなどに関する相談事業も展開する。

 

社名には「角の取れた」といった意味を持つ英単語「Mellow」を使い、目指すのは「組織と個人を苦しめる要因を取り除くことで、暮らしやすい社会をつくる」課題解決チーム。平城さんは「職業病解消によって労働者、企業双方を守りたい」と意気込む。

 

サービス提供先は主に奄美群島と南九州エリアで検討中。事業内容などはホームページ(https://mellow-amami.jp/)で紹介している。問い合わせはホームページの専用フォーム、または電話080(5254)1158Mellow Amami代表・平城さんへ。