隊員4人の犠牲忘れない 徳之島自衛隊機墜落18年 地元住民ら80人が祈り 徳之島町山
2025年03月06日
地域

慰霊碑に花を手向ける高岡秀規実行委員長=5日、徳之島町山
2007年に救急搬送要請を受けて飛行していた陸上自衛隊のヘリコプターが、徳之島の山中に墜落した事故から今年で18年。5日、徳之島町山公民館広場の慰霊碑前で、自衛隊ヘリコプター殉職者慰霊祭(同実行委員会主催)が行われた。地元住民や自衛隊員など約80人が参列し、離島の救急医療に尽くして殉職した陸自隊員4人の冥福を祈った。
事故は同年3月30日夜に発生。徳之島在住の急患が沖縄県での手術が必要になり、鹿児島県が那覇市の陸自部隊へ搬送要請。第一混成団が徳之島へ急行中、視界不良となり天城岳山頂に激突した。搭乗していた徳之島町出身の建村善知機長を含む4人全員が殉職した。
慰霊祭で実行委員長の高岡秀規徳之島町長は「奄美ドクターヘリの運行が開始されているが、夜間や悪天候などの厳しい条件下の緊急搬送は自衛隊の方々に頼らざるを得ない状況。人命救助という崇高な任務を最後まで全うされた勇気に感謝の念を持ち続け、未来永劫(えいごう)忘れてはならない」と述べた。
4人の隊員の人柄を歌詞にした鎮魂歌を全員で合唱後、陸自奄美駐屯地の隊員や消防、警察関係者のほか、地元の徳之島町立山小学校の全校児童9人も献花と祈りをささげた。和田哲也山小学校長は「人の命を救うために命を落とした人々の歴史を、子どもたちには忘れずに受け継いでいっていほしい」と話した。