離島のコロナ対策など分析 奄美パーク文化講演
2020年10月13日
地域
県奄美パーク主催の文化講演会が11日、奄美市笠利町の同パークであった。鹿児島市の米盛病院副院長で災害派遣医療チーム「DMAT」(ディーマット)隊員の冨岡譲二さんがテレビ会議形式で講演。与論島での新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生について、「早期の入島制限などが効果的だった。今後は医療体制のバックアップや感染防止対策のマニュアル化が課題」などと語った。
講演では与論島でのクラスター発生について、町と県、医療機関の対応などを分析。▽接触者の早期把握▽幅広いPCR検査の実施▽来島自粛、外出自粛の徹底│などが奏功し、「50人規模としては比較的短期間で収束した。離島の特性で、港湾・空港での水際対策が効果があった」と評価した。
一方、今後の課題として▽医療機関、福祉施設の対応マニュアルの作成と訓練▽飲食店の対策ガイドラインの作成▽来島者に対する周知│などを挙げ、「脆弱)な離島の医療提供体制を踏まえ、総合的な感染防止の取り組みが必要だ」などと語った。
このほか、日本の災害医療の歴史やDMATの活動の紹介があった。この日は新型コロナウイルス対策として、冨岡さんは鹿児島市からリモート講演した。奄美パークでは来場者の体温検査や記名などの対応を取り、約50人が参加した。