「住む前から知っていた」へ 〝お助け帳〟で集落情報発信 龍郷町・地域おこし協力隊員が発案

2024年05月01日

地域

シマ暮らしお助け帳の第1弾「円集落」

「住んでから知った」を「住む前から知っていた」に─。龍郷町では2024年度、新しくシマ(集落)暮らしを始める移住者らに向けて町内20集落の生活ルールや文化、習わしを紹介する「シマ暮らしお助け帳」の制作を進める。地域おこし協力隊の竹内ひとみさん(25)=埼玉県出身=が発案。4月に完成した第1弾「円集落」を皮切りに、まずは来年3月までに赤尾木、久場、大勝の3集落分の発行を目指す。

 

お助け帳は両面A3サイズ。8分の1の大きさに折り畳むことができ、持ち運びにも便利な仕様。集落の運営体制や行事予定、冠婚葬祭に関わる決まり事など、シマ暮らしに役立つ情報を記載している。

 

龍郷町では移住定住を促進しているが、移住者が集落の文化や習慣を知らずになじめない、地元住民との交流が少ないなどの事例もあるという。事前に情報を提供することで、こうした移住の“ミスマッチ”を防ぎ、移住者と地元住民の良好な関係づくりにつなげることが狙いだ。

 

竹内さんは、昨年4月に地域おこし協力隊員として着任し、円集落に在住。8月から第1弾の制作準備に取り掛かった。集落内を歩いて地名などを確認したり、住民から話を聞いたりして取材を行った。

 

制作のヒントになったのは、初めてのシマ暮らしに戸惑うことも多かったという自身の経験。青壮年団などの各種団体や集落費・寄付金の仕組み、ごみ捨て場の位置など、移住者の視点から生活に必要な情報をまとめた。

 

このほか集落の特徴やルールに関する補足事項を記した「ちょこっとコラム」や各班の境界線を示した地図も掲載し、自作のイラストや写真を添えて楽しく読めるよう工夫を凝らした。

 

「シマの文化を事前に知っていれば地域との壁も小さくなる。移住者と地元住民が互いに分かり合い、一緒に集落を盛り上げられるような関係づくりに役立てたい」と竹内さん。集落の情報を分かりやすく可視化することで「地元住民にとっても、曖昧になっている決まりなど運営体制を見直すきっかけになれば」とさまざまな活用の仕方に期待する。お助け帳の内容は、新たな情報があれば随時更新するという。

 

お助け帳の制作を手掛ける竹内ひとみさん(左)と谷亜矢子さん=4月18日、龍郷町役場

今後の制作活動には今年4月に着任した定住支援員の谷亜矢子さん(51)=大阪府出身=も加わる予定。谷さんは「地元の人にとっては当たり前でも、移住者にとっては知らないことばかり。事前に分かると生活しやすくなると思う。取材を通して地域の人たちとのつながりを広げたい」と意気込んだ。

 

お助け帳の第1弾「円集落」は、龍郷町役場企画観光課と同町秋名のたつごう移住ガイドセンター「住もうディ!」で配布している。問い合わせ先は電話090(7760)9491住もうディ!。