シアター塾、2年目が開講 復帰劇、2会場で再演へ 瀬戸内町

2023年07月23日

地域

脚本・演出の富岡忠文さん(右)の話に耳を傾ける「せとうちシアター塾」の講座生ら=22日、瀬戸内町古仁屋

瀬戸内町教育委員会主催の2023年度総合芸術教室「せとうちシアター塾」が22日開講した。22年度に続き、復帰劇「私たちの望むものは」の上演に向けて動き出した。劇の脚本・演出は奄美市名瀬出身の映画監督、富岡忠文さん(65)が継続。今年は12月に瀬戸内町と奄美市で発表する。

 

町教委が22年度に始めた事業で、演劇を通して表現力やコミュニケーション力を身に付けてもらうことが目的。23年度は文化庁文化芸術創造拠点形成事業に採択された。公演は奄美群島日本復帰70周年記念事業として行う。

 

劇は現代の瀬戸内町に暮らす子どもたちが、友人の祖母の体験から戦時中や米軍統治下の奄美について知る物語。今年3月の初演には小学2年生から60代までの26人が出演。本土との断絶や貧困、差別など当時の困難とともに、日本復帰を目指して団結した島人の不屈の精神を描いた。

 

23年度は町内外の小学3年生から60代の20人で始動。開講式は町役場であり、出席者が記した抱負をまとめて「個性豊かな舞台をつくり、みんなと仲良く、やって良かったと思える、シアター塾にすることを誓います」と宣誓した。奄美市立奄美博物館の久伸博前館長の講演「復帰70周年を学ぶ」を聴講した後、稽古に臨んだ。

 

2年連続で受講する諸鈍中1年の村田小春さんは「前回より大きな声で舞台で表現したい」、初めて受講する伊子茂中1年の酒井晴加さんは「ドラマが好きで申し込んだ。講座を通して、どうやって作品が出来上がっていくのか学びたい」、演出の富岡さんは「今年も子どもたちの成長が楽しみ」とそれぞれ話した。

 

公演は瀬戸内町きゅら島交流館で12月17日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)で同24日。町教委は引き続き出演者となる塾受講生を募集している。稽古は基本的に週2回。電話0997(72)2905瀬戸内町教委社会教育課。