トラック12台分の漂着ごみ回収 奄美市名瀬

2020年07月30日

地域

ウミガメの産卵浜で漂着ごみを回収した関係者ら=28日、奄美市名瀬(提供写真)

ウミガメの産卵浜で漂着ごみを回収した関係者ら=28日、奄美市名瀬(提供写真)

 奄美市環境対策課は28日、ウミガメの産卵地として知られる同市名瀬芦花部の海岸で漂着ごみの回収作業を行った。市の職員と奄美ダイビング事業者組合(才秀樹会長)、奄美海洋生物研究会(興克樹会長)のメンバーら22人が参加。ふ化した子ガメが無事に海にたどり着けるように、浜に散乱していた漁具や発泡スチロールなど、2㌧トラック12台分のごみを回収した。

 

 同市の海岸漂着物等地域対策推進事業の一環。現地は武運浜と呼ばれる海岸。今シーズンは5月以降、ウミガメの産卵が計13回確認されているが、大量のごみが漂着したままになっており、産卵や子ガメの脱出への影響が懸念されていた。浜への陸路はなく、参加者らはダイビング事業者らの船2隻で現地に向かい、回収したごみを運び出した。

 

 才会長は「ダイビングに来たお客さんが、ごみがたくさんある浜を見たときに、マイナスイメージになるのではと心配していた」と話す。興会長は「大きなごみがあると、ウミガメが産卵をあきらめたり、子ガメが海に帰れず死んでしまうことがある」と指摘し、対策を呼び掛けた。

 

 約4時間の作業で、回収できた漂着ごみは浜全体の半分ほど。8月にも回収作業を予定している。奄美市環境対策課の平田博行課長は「作業には多くの人手が必要。将来的には地元の子どもたちや市民ボランティア、事業所などに協力を呼び掛けて漂着ごみの回収を進めたい」と述べた。

多くの漂着ごみが散乱した砂浜=28日、奄美市名瀬(提供写真)

多くの漂着ごみが散乱した砂浜=28日、奄美市名瀬(提供写真)