ニカラグア大使が奄美大島へ フォローアップ事業で17日来島

2018年11月16日

地域

「ニカラグアでは『ソンブレロ・デ・パルマ(棕櫚の帽子)』は幸運をもたらすと言われています。奄美大島の皆さんとお会いするのを楽しみにしています」と語るロドリコ大使(中央右)と大使館員=14日、東京都港区の駐日ニカラグア共和国大使館

「ニカラグアでは『ソンブレロ・デ・パルマ(棕櫚の帽子)』は幸運をもたらすと言われています。奄美大島の皆さんとお会いするのを楽しみにしています」と語るロドリコ大使(中央右)と大使館員=14日、東京都港区の駐日ニカラグア共和国大使館

 中米ニカラグア共和国のロドリゴ・コロネル駐日特命全権大使が17日、奄美大島を訪れる。奄美群島広域事務組合が奄美群島育成人材フォローアップ事業の一環で展開する「FAMトリップ」に参加する。奄美大島訪問を前に大使は「私の古里はチチガルパという製糖とラム酒造りが盛んな地域。サトウキビ畑が広がる風景は奄美と似ていますね。鶏飯に似た料理もあります。まだ見ぬ奄美ですが『第二の古里になるのでは』との予感がしています」と話す。

 

 大使は15歳で高校を飛び級卒業し、アメリカの大学に入学。デュケイン大、モービル大で学び、ジョンズ・ホプキンズ大大学院で経営学修士。

 

 世界最大の一般消費材メーカーP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)でブランディング戦略を担当。続いて世界最大規模の外食チェーン運営会社ヤム・ブランズでケンタッキーフライドチキンやピザハットなどのワールドマーケティングを担当。さらにコンサルティングファームのベイン・アンド・カンパニーでマーケティングエキスパートとしてキャリアを重ねた。

 

 2年前に「今こそ祖国のために私の力の全てを注ぐ時だ」と帰国を決意。今年3月に本国外務省より駐日特命大使を任命され、5月に来日した。

 

 「デジタルの時代、情報が画一化される傾向にある時代だからこそ『どこにもない奄美』には大きな価値があります。このポリシーは母国ニカラグアにも通じる所があります。マスの観光地を目指すのではなく、等身大の姿をしなやかに、したたかに貫く。しかし、魅力の鮮度を保つためのマーケティングと努力は欠かせません」とも。

 

 大使は日本アニメのファン。「『となりのトトロ』でトトロが傘代わりに持っていた葉っぱのモデルが、奄美にも自生している『クワズイモ』だと知りました。奄美を見たい、知りたい、そして皆さんと触れ合いたい」と奄美訪問に期待を寄せる。

 

 「奄美の皆さん、私を見かけたら『ケタール(スペイン語で元気? に相当する気軽なあいさつ)』と声を掛けてください。私は皆さんとお友達になりたいのです。大使閣下とは呼ばないで。発音は少し違いますが、カッカはスペイン語で大便の意味なんですよ」とユーモアたっぷりに語った。

奄美大島を訪れるロドリゴ・コロネル駐日大使の名刺

奄美大島を訪れるロドリゴ・コロネル駐日大使の名刺