三十三回忌祭、盛大に ジューテにぎやかに練り歩く 知名町瀬利覚

2019年05月20日

地域

踊りながら祖先の霊を墓へ送る参列者ら=18日、知名町瀬利覚

踊りながら祖先の霊を墓へ送る参列者ら=18日、知名町瀬利覚

  【沖永良部総局】知名町瀬利覚の東則雄さん(66)方で18日、東さんの兄、晃次さんの三十三回忌の祭事があった。親戚や地域住民、晃次さんの同窓生ら約60人が参列。夕方、霊を墓へ送る際にはジューテと呼ばれる三線奏者、女性の踊り手、棒踊りの男性陣らが行列を作り、自宅から墓まで約1キロの道を歌い、踊りながらにぎやかに練り歩いた。

 

 知名町誌によると、年忌祭は1年、3年、13年、17年、25年、33年の計7回あり、うち三十三回忌は「祭り止め」と言い、盛大に執り行うのがならい。

 

 東家では前日の17日に墓から霊を家に迎え、18日は午後4時から参列者を家に招いて祭事を開催。ジューテの演奏で女性の踊り手が「御前風」などの祝踊り3曲を踊った。

 

 墓までの道中は男性陣が「ヒヤルガヨイサ トーヨイサ サァーサ」と威勢のよい掛け声に合わせ、紅白の布を先端に付けた竹棒をぶつけ合う棒踊りを披露。墓前で女性が祝い踊りを踊り、最後は参列者全員が焼香した。

 

 東さんは「昔からの行事、風習が近年は簡素化されていく中、皆さんの協力で三十三回忌をしっかりした形でやれた。兄のこともいろいろと思い出せたし、90歳になる母をはじめ、家族にとっては心の中が整理できた気がする」と話した。