交通事故想定し防災訓練 網野子トンネル

2019年12月14日

地域

事故車両のドアを解体する消防署員=13日、瀬戸内町の網野子トンネル

事故車両のドアを解体する消防署員=13日、瀬戸内町の網野子トンネル

 瀬戸内町勝浦と奄美市住用町役勝を結ぶ国道58号網野子バイパスの網野子トンネルで13日、交通人身事故を想定した防災訓練があった。県大島支庁瀬戸内事務所や瀬戸内町、警察、消防などから約70人が参加。事故発生時の情報伝達や救助、消火活動などの手順を確認した。

 

 網野子トンネルは延長4243メートル。一般道トンネルとしては奄美群島内最長、県内で2番目の長さを誇る。事故発生時は避難救助活動の難航や被害の拡大が懸念されることから、年1回関係機関での訓練を実施している。

 

 訓練は、瀬戸内町側から800メートルの場所で自動車2台が正面衝突して3人が負傷し、1人が車から自力で脱出できないと想定。通報や事故車両のドア解体、負傷者の救助、車両火災の消火、現場検証までの一連を実践した。

 

 訓練後、大島地区消防組合の山下松夫名瀬消防署長は「トンネルは長さに比例して救助、消火活動の困難さが増す。各機関の動きを再確認し、即時に対応できるよう備えたい」、県大島支庁瀬戸内事務所の藤井隆所長は「観光客の増加に伴い交通量が増え、事故のリスクも高まっている。防災訓練と安全運転啓発を合わせて継続したい」とそれぞれ語った。

 

 瀬戸内署によると、2015年の供用開始以来、同トンネル内で交通事故は発生していない。