伝統のカツオ祭り盛況 500人超来場、豊漁を祈願 加計呂麻島芝集落

2025年05月05日

地域

船上から投げ込まれる祝いの品を求めて盛り上がるカツオ祭り会場=4日、瀬戸内町加計呂麻島の芝集落

瀬戸内町加計呂麻島の芝集落で4日、伝統行事のカツオ祭りがあった。漁船団が同集落漁港内を巡るパレードを繰り広げたほか、見物客に約1000キロ分のカツオやマグロ、祝い餅を振る舞って海の安全と豊漁を祈願。会場は島内外から訪れた500人以上の観客でにぎわった。

 

明治期からカツオ漁で栄えた同集落の伝統行事。人口減少や高齢化に伴い、近年はカツオ漁船「脇田丸」を操業する脇田総合が主催している。かつてのにぎわいをほうふつとさせる勇壮な祭りとあって例年、島外からも大勢の見物客が訪れる。

 

パレードには大漁旗を掲げた漁船9隻が参加して漁港内を3周し、模擬の一本釣りなどのパフォーマンスも披露。岸壁に集った見物客らにカツオ引換券や餅の入った小袋を投げて振る舞ったほか、会場では50キロのキハダマグロの解体ショーや、12組が出演するステージが花を添えた。

 

昨年に続き2年連続で奄美市名瀬から来場したという筒川花一さん(朝日小5年)は「お餅は1個しか取れなかったけどお祭りを楽しめた。連休中にサッカーの大会があるので決勝トーナメント進出を目指す」と話した。

 

同集落は4月末現在で人口49人。祭りの実行委員長を務めた豊島敏さん(63)は「私が子どもの頃は集落だけで500人以上いて祭りには漁船50隻以上が参加していた」と懐かしみつつ、「毎年の多くの来島に感謝したい。祭りの時は昔のように集落全体が活気づいている」と笑顔を見せた。