全国離島初、災害時の電動車活用協定 瀬戸内町、三菱自工など民間5社と

2020年10月30日

地域

災害時に電動車両等の支援に関する協定を結んだ瀬戸内町の鎌田愛人町長(右から3人目)と関係企業の代表者=29日、瀬戸内町

災害時に電動車両等の支援に関する協定を結んだ瀬戸内町の鎌田愛人町長(右から3人目)と関係企業の代表者=29日、瀬戸内町

 瀬戸内町は29日、三菱自動車工業(本社・東京都)、鹿児島三菱自動車販売(鹿児島市)、MMCダイヤモンドファイナンス(本社・東京都)、奄美ラッキーレンタカー(奄美市)、三菱自動車サテライトショップ奄美(同)の5社と、災害時における電動車両等の支援に関する協定を結んだ。町内での災害発生時、応急対策のために電動車両の無償貸与を受けることなどを定めた。

 

 対象となる車は、三菱自動車が製造、販売する電動車両「アウトランダーPHEV」。▽電気とガソリン両方使え、停電時はガソリンエンジンで発電した電気をバッテリーにためて給電▽一般家庭の約10日分の電力をつくり出し、1500ワットで出力▽車高が高く、四輪駆動で被災時の悪路も走行可能―などの特徴がある。

 

 協定では、災害発生時に瀬戸内町から要請があれば、奄美ラッキーレンタカーの使用する車両を優先的に貸与するよう努めるなどとした。三菱自動車によると、昨年8月から全国の自治体と同種協定を結んでおり、瀬戸内町は83例目、離島では初。貸与する車両にMMCダイヤモンドファイナンスとフランチャイズ契約を結ぶレンタカー会社を活用することも初めてとなる。

 

 協定締結式には、鎌田愛人町長と5社の代表者が出席した。鎌田町長は「本町は台風等の影響による停電が長期化する傾向にあり、その対策が喫緊の課題。協定締結により、電動車両が有する給電機能が災害時の電力供給源として有効に活用できることは大変心強い」とし、協定賛同社に感謝した。

 

 奄美ラッキーレンタカーを運営するビッグビジネスの向井純一代表取締役社長は「災害がいつ何時あるか分からない状況で、24時間対応できるのは私たちの強み。瀬戸内町、三菱と連携をとりながら、役立てるようしていきたい」、三菱自動車の若林陽介執行役員は「一体となってサポートしていきたい」と抱負を述べた。