公共サービス、民間参画推進 PPPプラットフォーム設立 奄美市

2023年02月07日

地域

公共サービスへの民間の参画促進を目的としたPPPプラットフォームの設立総会=6日、奄美市

公共施設整備などにおける民間資金やノウハウの活用推進を目的とした「奄美市PPPプラットフォーム」の設立総会が6日、同市名瀬の市民交流センターであった。地元の金融機関や建設・建築関係団体の代表ら約30人が出席。専門家の講演を通して、公共サービスへの民間の役割拡大などPPPへの理解を深めた。

 

PPPは「パブリック(公共)、プライベート(民間)、パートナーシップ(協力)」の略称。「官民連携」とも呼ばれ、公共サービスの提供に民間が参画する手法の総称。

 

似た呼び名に「PFI」があり、これは公共施設などの設計・建設、維持管理、運営に民間資金やノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うこと。PFIや、奄美市が行っている指定管理者制度はPPPの手法の一つ。

 

PPPの推進は、限られた市の財政状況の中、公共施設・サービスに民間の資金や知恵を最大限活用し、市民の多様な行政ニーズに対応するのが目的。

 

プラットフォーム(官民連携の場)を置くことで、PPP事業に該当する案件について、事業発案段階から官民で対話し、事業内容などに関して事業者の意見を聞く機会を設ける。また勉強会や研修会を通して知識・理解を深め、PPP事業への地元事業者の参画を促したい考え。

 

市プロジェクト推進課の担当者は「一部の事業者への偏った情報提供を回避し、すべての事業者に公平な機会が確保できるようにする」とも述べた。

 

同日の設立総会は、官民連携の新たな取り組みの開始を告げる「キックオフイベント」との位置付けで開催。東洋大学大学院・経済学研究科の根本祐二教授(公民連携専攻)が講演し、他自治体でのPPP事業の事例などを紹介した。

 

安田壮平市長は「公共のことをすべて行政がやれる時代ではない。行政サービスにおいても、地域の事業所の皆さんが活躍する場、その可能性を共に追求していきたい。この取り組みを通じて地域経済の活性化や、豊かな島づくりの第一歩となることを願っている」と期待した。