再エネ促進で地域活性を 先進地から学ぶ講演会 奄美市

2023年11月17日

地域

先進地の取り組みから木質バイオマスエネルギーの導入と地域活性化について考えた講演会=16日、奄美市名瀬

木質バイオマスエネルギーの導入を通じて住民主体の地域活性化を目指す林野庁の「地域内エコシステム」について考える講演会が16日、奄美市名瀬のホテルで開かれた。先進地である岡山県西粟倉村から同村産業観光課の白籏佳三主任(61)が来島。再生可能エネルギーを活用した地方創生の取り組みを紹介し、「地域資源を生かした再エネ整備事業は補助や融資も手厚く、電気、ガス、ごみ処理などの社会インフラの維持に組み込めば経済活性や人口増にもつながる」などと語った。

 

講演会は林野庁の補助事業を活用し、奄美での地域内エコシステム事業を推進する一般社団法人奄美みらいエネルギー(渡太郎理事長)が主催。奄美大島内の行政や議員、林業関係者ら23人が参加した。

 

白籏さんは西粟倉村の取り組みとして▽薪・木質チップボイラーを利用した暖房や給湯システム▽流れ込み式(時流式)の小規模な水力発電所の設置▽水力発電の収益をバイオマス燃料製造など別の再エネ事業に再投入▽地下水を利用した冷房│などを紹介。

 

間伐材や木端、樹皮など、これまで廃棄されていた未利用の資源を活用しながら再生可能エネルギー事業を進めることで、林業の再興とともに経済活性、雇用の増加、人口減少の食い止めにつながったと語り、「脱炭素化は目的ではなく手段。まちの理念を共有し、全体を見渡しながら小さな事業を積み重ねていくことが大切」と語った。

 

参加者からは奄美大島での小規模水力発電の実現可能性について質問があったほか、「奄美でも地元の森林資源をもっと活用するべきだ」という声が上がった。講演会の後は参加者の意見交換会も行われた。