友達や先生と再会、喜ぶ 雨で6日ぶり授業、給食も 宇検村の阿室・名柄

2023年06月27日

地域

6日ぶりに登校する阿室小中学校の児童ら=26日、宇検村阿室

梅雨前線に伴う記録的な大雨で道路網が寸断され、23日夕まで孤立状態となっていた宇検村6集落の小中学校2校で26日、通常通りの授業が再開した。21日以降、終日休校が続いていた阿室小中学校(中村正治校長、児童生徒19人)の児童生徒らは元気な声であいさつを交わしながら登校。週末を挟み6日ぶりの友達や先生との再会を喜んだ。

 

阿室校区の平田、阿室、屋鈍の3集落(122世帯、199人)は、22日夜まで停電に見舞われ、学校は23日も休校となった。

 

26日は中村校長が正門前に立ち、一人一人に「元気でしたか」「体調は大丈夫ですか」などと声掛け。全校集会では、地域の被害状況などについても説明があった。中村校長は、児童生徒との再会を喜ぶとともに「梅雨が明ければ台風の季節。今回とは違う被害も出てくるので、避難時はより気を付けて、防災グッズなどの準備もしっかりとしておきましょう」と呼び掛けた。

 

阿室集落から通学する中学3年の後藤愛彩さん(15)は「家は無事だったが、集落内の農家の作物に被害があったようだ」と農業被害を懸念。他集落から通学する友人との再会には安堵の表情を見せた。

 

3月末で自校式給食が終了し、新学期に田検小中共同調理場からの配送方式に切り替わった名柄小中学校(迫田尚久校長、児童生徒13人)では、22、23の両日、学校までの県道79号名瀬瀬戸内線が寸断されて給食が配達できず、午前中のみ授業が行われていた。

 

6日ぶりに給食の配膳をする名柄小中学校の児童ら=26日、宇検村名柄

6日ぶりの給食の献立は、きんぴらごぼう、洋風肉じゃが、麦ごはん、牛乳。小学3年の外山海凪(みなぎ)さん(8)は「献立で一番好きな『ピリ辛フォー』が先週食べられなくて残念だったけれど、きょうもおいしい給食でうれしい」と笑顔。

 

4年の廣瀬羽奏(わかな)さん(9)は「海凪ちゃんは自分の家に避難していたから一緒だったけど、ほかの友だちとご飯を食べるのは久しぶり。楽しく食べられて良かった」と話した。