商店街にシェア本屋 子どもらがブックオーナーに きょうオープン 奄美市名瀬

2021年05月30日

地域

シェア本屋をオープンさせるブックオーナーたち=29日、奄美市名瀬

 奄美市名瀬の中央通りアーケードの一角に30日、シェア本屋「AMAMI.MUJIN」(木村麻里代表)がオープンする。シェア本屋は、個人(ブックオーナー)が書店の本棚を共有し、経営するもの。開店前の29日、ブックオーナーが商店街の店主らにチラシを配り、店を宣伝して回った。

 

 今年3月まで小学校の臨時教職員を務めていた代表の木村さんが、2年前に奈良県で出合った無人のシェア本屋「ふうせんかずら」から着想を得て、子どもオーナーが主体の店を構想。約1カ月前から、オーナーらと店内の清掃や壁の塗装、棚作りなどの改修を進め、開店にこぎ着けた。

 

 現在、オーナーは中高生を中心に4~70歳の24人。6畳ほどのスペースに、児童書や漫画、文学書、実用書など約300冊が並ぶ。価格は100円から。オーナーの一人、大島高校の岡﨑杏さん(15)は「本好きだったが、中学で部活などが忙しく本離れをしていた。自身も改めて本に興味を持つきっかけになったし、ここが気軽に本に親しめる場所になってほしい」と話した。

 

 売上金は、2割を棚代として店側に支払い、残り8割をオーナーが新しい本の購入や棚の維持管理などに充てる仕組み。木村さんは「子どもたちには自らが創意工夫して経営に携わり、多世代交流を通して、自分の世界を広げてほしい。また、商店街の活性にもつなげたい」と展望を語った。

 

 午前9時~午後6時。不定休。随時、オーナーを募集している。問い合わせは、電話080(4231)5477木村さん。

個人運営の棚に並ぶ本=29日、奄美市名瀬