奄美でも復興支援や脱原発集会 東日本大震災7年

2018年03月12日

地域

デモ行進を行う反原発集会の参加者=11日、奄美市名瀬

デモ行進を行う反原発集会の参加者=11日、奄美市名瀬

 2011年3月の東日本大震災発生から7年目を迎えた11日、奄美でも地震や津波で犠牲になった人々の霊を慰めるとともに、一日も早い被災地の復興を願う行事が行われた。ピアノの演奏に合わせて復興支援ソングを合唱するイベントや、原発が周辺環境に打撃を与えたとして国内の原発廃炉を訴える市民集会が開かれ、参加者はそれぞれの立場から復興へ道半ばの被災地に思いを寄せた。

 

 音楽愛好者のミニライブも交え脱原発を訴える「さよなら原発!9条こわすな! 3・11奄美地区集会」(同実行委主催)は午前11時から、奄美市名瀬の中心市街地にある民間駐車場であり、平和団体などから約60人が参加した。

 

 喜入拓司実行委員長は「東日本大震災で発生した東電福島第一原子力発電所の事故から7年が過ぎたが、今も事態は収束していない」と指摘。「一度の事故で生命や故郷さえ失う原発に反対し、脱原発による持続可能で平和な社会の実現へ連帯を強めよう」と呼び掛けた。

 

 参加者らは原発の再稼働や新増設反対、速やかな廃炉などを求める決議文とスローガンを採択。集会後には反原発を訴えるプラカードなどを携え、市街地をデモ行進した。

 

 ピアノ演奏に合わせて復興支援ソングを合唱する「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」は午後2時から、同市名瀬のAⅰAⅰひろばであり、市民ら約90人が伸びやかな歌声を響かせて被災地に心を寄せた。

 

 寄贈されたピアノで地域活性化を図る「鹿児島まち自慢快発考舎」のストリートピアノプロジェクトの一環で、全国18会場で同時に開いた。奄美での開催は3回目で、女声合唱団「ラ・メール」(築島成子代表)が主催。参加者は、本震が発生した午後2時46分に被災地の方角へ黙とうをささげた後、ピアノ伴奏に合わせて「花は咲く」を合唱した。

 

 長女(10)、二女(8)を伴って参加した同市名瀬の立石信子さん(48)は「全国の歌声が合わさって、早い復興を願う声と心が被災地に届くことを願う」と歌に祈りを込めた。

伸びやかな歌声で被災地に思いを寄せるピアノイベントの参加者=11日、奄美市名瀬

伸びやかな歌声で被災地に思いを寄せるピアノイベントの参加者=11日、奄美市名瀬