奄美を描く美術展、大賞に上田さん「帰還」

2018年10月13日

地域

大賞を受賞した上田泰徳さんの「帰還」

大賞を受賞した上田泰徳さんの「帰還」

 田中一村生誕110年記念「第17回奄美を描く美術展」(同実行委員会主催)の審査結果が12日発表され、大賞に上田泰徳さん(東京都)の「帰還」が選ばれた。ウミガメを題材にした作品は「動きのある画面構成。日本画特有の質感を生かしながら海中を思わせる色調が心地よく伝わり、海の生命力を感じる」と評された。田中一村記念美術館賞は平野良光さん(徳之島町)の「通り雨」を選出。作品展は21日から、奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館企画展示室で開かれる。

田中一村記念美術館賞に選ばれた平野良光さんの「通り雨」

田中一村記念美術館賞に選ばれた平野良光さんの「通り雨」

 

 奄美群島を中心に県内外の75人から油彩、アクリル、日本画など98点が寄せられた。最年少は15歳、最年長は91歳。8日の作品審査会で入賞12点、入選50点を選出した。

 

 西健吉審査員長(二科会理事)は「対象の捉え方や画面構成、色彩の工夫など多様で魅力的な作品が見られた」と総評した上で「もう一歩奄美の中に入り込み、自然と人々との関わりを体感してさらに魅力的な作品を」と促した。

 

 展示会は21日から11月18日まで。観覧無料。10月28日に授賞式。12月1~9日に鹿児島市立美術館で巡回展を行う。

 

 その他の入賞は次の通り。(敬称略)

 ▽優秀賞 丸山良二郎(鹿児島市)「金作原」、寛文雄(伊仙町)「干潮(天城町与名間)」、矢﨑朱実(愛知県)「ダチュラ」、中村哲郎(奄美市)「流転」、平芳子(同)「浜木綿随想―どこか遠くへ―」▽奄美の空賞 田河美紀子(奄美市)「Chan」▽奄美の海賞 吉村英彦(奄美市)「海の声」▽奄美の杜賞 重村敏光(奄美市)「(蓬莱竹のある)野立茶会」▽ヤング賞 河田夏歩(喜界町)「Marine friends」▽シルバー賞 中野長子(奄美市)「時代を重ねて」