奄美トレイルを散策 カップルケンムンもお披露目 宇検村生勝公園完成記念イベント
2025年04月28日
地域

認定エコツアーガイドの桑野由里子さん(中央)の案内で集落を歩くイベント参加者ら=27日、宇検村
宇検村生勝公園の完成を記念したイベント「奄美トレイルウォーキング」(ケンムンの館主催)が27日、同村で開かれた。島内から約60人が参加し、宇検集落から生勝集落までの3キロ余りの散策を楽しんだ。ゴール地点の生勝公園では村主催で竣工式と村内7カ所目(7、8体目)となるカップルのケンムン像の除幕式があり、地元住民も加わって新たな集いの場の完成を祝った。
公園整備は集落民からのトイレ設置の要望がきっかけ。県の魅力ある観光地づくり事業に採択され、事業費はすべて県負担。事業は「世界自然遺産奄美トレイル」に指定される沿道拠点などが対象で、2022年度に着工し今年3月に完了した。トイレやケンムン像のほか、あずまや、駐車場、照明などが整備された。
ウオーキングは同村在住の認定エコツアーガイド桑野由里子さん(53)が案内し、トレイル(道)沿いの植物や奄美に伝わる妖怪ケンムンの目撃談、集落の伝承などを村民が描いた絵も交えて紹介した。

除幕式後にカップルケンムン像と記念撮影する参加者ら=27日、宇検村
カップルケンムンはガジュマルの木の脇にあるベンチに座り、互いの手を触れるか触れないかの距離で重ねている。恋愛成就の意味が込められていると言い、元山公知村長は除幕式で「(集落が面する焼内湾の)枝手久島にも恋にまつわる話がある。この場所から枝手久島へ行くツアーも考えられる。川遊びツアーをつくりたいという声もあり、公園がそうした拠点になれば」と祝った。
生勝集落の米正道区長(69)は「立派な公園ができた。ウオーキングでは学校に通っていた時のことを思い出した。公園をいろんな面で活用し、生勝と村の活性化につなげたい。夜も照明がきれいでお勧め」と語った。
恋人と一緒に参加した奄美市名瀬の古薗孝太さん(32)は「天気もよく、区長やガイドの方から歴史や植物の話が聞けて面白かった。(恋人と)これからも奄美の自然やきれいな景色を楽しみたい。この場所でのプロポーズ第1号になれれば」と笑顔を見せた。