奄美空港に米オスプレイ3機 「救難活動のため」県が受理 煙吹き出す場面も 屋久島沖墜落事故

2023年12月03日

地域

奄美空港に約7時間、整備のため駐機したオスプレイ。プロペラを回転させた後、煙が吹き出る様子もあった=2日午後3時30分ごろ、奄美市笠利町

米海兵隊普天間飛行場(沖縄県)所属の輸送機MⅤ22オスプレイ計3機が2日、奄美市笠利町の奄美空港に着陸した。県や奄美市によると、屋久島沖で11月29日に墜落した米オスプレイの救難活動と人員輸送のための飛来。2日未明に米軍側から2、3

の両日の奄美空港使用届があり、県が受理した。県は11月30日に再発防止策を講じるまでのオスプレイ飛行停止を米側へ要請するよう、防衛省に対し申し入れをしていた。

 

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2日午前8時50分ごろ、奄美空港に米オスプレイ2機が飛来。1機は給油など終え、同10時半ごろに屋久島沖へ向け離陸したが、2機目は午後4時ごろまで奄美空港にとどまった。九州防衛局は駐機を続けた理由を「整備が必要であったため」とした。午後1時ごろには整備を支援するためとして、3機目のオスプレイが着陸。物資などを降ろし、約30分後に離陸した。

 

2機目は奄美空港に約7時間駐機。搭乗員が右翼部分で機体内部を確認する様子や3機目の機体で輸送した物品を用いて、機体や滑走路を拭きとる様子などが見られた。プロペラ駆動後は、赤黒い煙が吹き出す様子もあった。この機体は尾翼の機体番号から、10月19日に徳之島空港(天城町)に「予防着陸」したオスプレイと見られる。

 

オスプレイの救難活動参加について、取材に対し、九州防衛局は「捜索・救助活動はさまざまな航空機が参加しており、オスプレイの参加もその一つであると理解している」との見解を示した。

 

2日午後、奄美空港を訪れた奄美市名瀬の60代会社員男性は送迎デッキから駐機中のオスプレイを眺め「ばかにしている」と語気を強めた。「落ちたオスプレイをオスプレイで探しに来るとは。ほかのヘリなどいくらでも手段はあるだろう。こちらの神経を逆なですると分かっていて、来ているのではないか。所属は関係ない。オスプレイはオスプレイだ」と話した。

 

県によると、オスプレイの離着陸に伴う民間航空機への支障やけが人の発生などはなかった。3日もオスプレイの空港使用届が出されているが「米軍の運用に関わる」として、空港使用時間は明らかにしていない。