宇検村でブラジル移民研究の加藤さん講演

2018年12月06日

地域

「ブラジル移民史と在伯奄美人の現在とこれから」と題し講演した加藤さん=4日、宇検村の「元気の出る館」

「ブラジル移民史と在伯奄美人の現在とこれから」と題し講演した加藤さん=4日、宇検村の「元気の出る館」

 宇検村ブラジル移民100周年を記念した講演会「奄美とブラジルをつなぐ〈橋〉」(村教育委員会主催)が4日、村生涯学習センター「元気の出る館」であった。神奈川大学大学院で移民史を研究している奄美2世の加藤里織さん=横浜市出身=が講演して「ブラジルと宇検村の関係を次の100年へつなぐために懸け橋となる人材が必要」と語り、今後の交流継続の必要性を訴えた。

 

 加藤さんは母親が瀬戸内町芝出身。移民史研究のため、ブラジルと宇検村に足しげく通っている。「ブラジル移民史と在伯奄美人の現在とこれから」と題して講演した。

 

 講演で加藤さんは、11月に鹿児島市であった鹿児島県人世界大会でブラジル在住の奄美出身者たちに同行取材した際の様子や、宇検村出身のブラジル移民のルーツを探った研究の成果などをスライドで紹介した。

 

 宇検村誌によると、村からの移民が始まったのは1918(大正7)年。加藤さんは移民1世の死去や高齢化が進み、2、3世は島唄や島の踊りを知らない人が多くなっている現状も報告。「今後は村がリーダーシップを取り人的、文化的な交流を継続する必要がある」と述べ、▽ブラジルと奄美での交換留学▽宇検村ブラジル祭り―など交流事業の実施を提言した。

 

 村内外から約50人が来場。芦検地区から訪れた髙橋アキエさんは「記念事業で来村した親戚に40年ぶりに会えた。身近で興味深い講演内容。詳しく研究してくれた加藤さんに感謝したい」と笑顔で話した。