山肌もくっきり 沖永良部島から硫黄鳥島撮影 

2022年08月12日

地域

 よく晴れた7日、知名町の田皆岬から沖縄県最北端の硫黄鳥島が確認されたのを、知名町中央公民館職員の前利潔さん(62)が撮影した=写真。「これまで何度も撮影に挑戦しているが、山肌までくっきり島の様子が撮れたのは初めて」という。

 

硫黄鳥島を地図で見ると、沖永良部島の田皆岬から直線距離で約60㌔。「沖縄県史資料編13」によると、昔は硫黄を採取して生活する住人がいたが、1959年の噴火で全島民が移住し、無人島になった。徳之島とも縁があり、食糧欠乏時に米を移入。奄美諸島が沖縄共に琉球政府時代は、徳之島からの学校教諭赴任もあった。

 

沖永良部島からは20年ほど前までレジャーで出掛ける人がいたようだ。知名町の植村太敬志さん(79)は「野生化したヤギがたくさんいた。ヤギでも足を踏み外して落ちて死んでいたほどの険しい地形。本船を沖合に停泊させ、小舟で島に渡ったが、行きも帰りも転覆。二度と行きたくないと思った」と苦い思い出を語った。(沖永良部総局)