山間部で合同パトロール 奄美市名瀬

2019年11月27日

地域

山間部に捨てられたごみ=26日、奄美市名瀬

山間部に捨てられたごみ=26日、奄美市名瀬

 県が定める「不法投棄防止強化月間(11月)」に合わせた関係機関の合同パトロールが26日、奄美市名瀬地区であった。行政、警察などから21人が参加。山間部の6カ所で家電や家庭ごみなどが捨てられている状況を確認し、対策の強化と住民への普及啓発に連携して取り組むことを申し合わせた。

 

 パトトールは不法投棄の早期発見と適正処理、住民への意識啓発が目的。県と地元関係機関で組織する奄美地区産業廃棄物等不法投棄対策等連絡会議と、県産業資源循環協会奄美支部が毎年実施している。

 

 奄美市名瀬の県大島支庁で出発式があり、赤﨑昭一県大島支庁衛生・環境室長は「世界自然遺産登録を目指す奄美の豊かな自然環境は国内外から注目を集めているが、依然として不法投棄が後を絶たない。ごみのない美しい自然を未来へ引き継ぐため、対策を迅速、的確に行いたい」と述べ、関係機関の連携を呼び掛けた。

 

現地を確認した不法投棄防止パトロール=26日、奄美市名瀬

現地を確認した不法投棄防止パトロール=26日、奄美市名瀬

 参加者らは山間部の道路沿いで、やぶの中や崖下に捨てられたテレビや冷蔵庫などの家電や建設廃材、大量の家庭ごみなどを確認した。

 

 奄美市はパトロール員を配置して、夜間を含めた不法投棄の監視や廃棄物の回収を行っているが、悪質なごみの投棄は後を絶たない。本年度は監視カメラを設置する実証実験を実施。今後はカメラの台数を増やすなど対策の強化を検討する。

 

 同市の不法投棄監視パトロール員の青木孝正さん(63)は「まずは家庭教育が大事。環境問題は世界共通の課題。自然を大事にする意識を幼いころから育ててほしい」と住民の意識向上を訴えた。