島唄の魅力アピール 東京奄美サンシン会

2018年11月17日

地域

島唄愛好家らで満席になった会場(上)と東京奄美サンシン会の本田会主=10日、東京都豊島区

島唄愛好家らで満席になった会場(上)と東京奄美サンシン会の本田会主=10日、東京都豊島区

 東京奄美サンシン会(本田輝峰会主)の第22回発表会が10日、東京都豊島区の南大塚ホールであった。初心者からベテランまで約70人が出演。日頃の練習の成果を発表し、島唄の多様な魅力をアピールした。

 

 発表会は2部構成。第1部は初心者による合奏「荒城の月」「いきゅんにゃ加那節」で幕開け。会員らは「黒だんど節」「よいすら節」「糸繰り節」「朝花節」などの島唄の定番ともいえる曲目を見事に演奏。観客席から大きな拍手が起こった。

 

☆東京奄美サンシン会会主 第2部は「朝花節」で始まり、「長雲節」「野茶坊節」などをベテラン勢が情感たっぷりに歌い上げた。本田会主による「渡しゃ節」「塩道長浜節」では、艶やかな歌声に観客は吸い寄せられるように聴き入った。

 

 フィナーレに向けては「島のブルース」「ほこらしゃ」などのメドレーに合わせ、全員で八月踊りを披露した。

 

 会場はほぼ満席。島唄の歌詞や背景を丁寧に解説したパンフレットも好評だった。

 「黒だんど節」を披露した宮澤菜保子さん(長野県出身、東京都在住)は祖父が奄美市笠利町出身の奄美3世。「3年前に母の古里である奄美を初めて訪れたのですが、シマの中学生が懸命に稽古をしている姿に感銘を受け、入門を決めた。島唄に触れるたび、演奏するたびに他界した祖父が心の中に浮かびます。私の歌声は、笠利に、天国に届いているでしょうか」とステージを振り返った。

 

 本田会主は「月2回の稽古に加え、自主練習に励んだ会員の努力に拍手を送りたい。会員は奄美出身者はもとより、奄美2世、3世も多い。ゲストの皆さま、会を支えていただく全ての人々に感謝したい」と語っていた。