恒久平和への誓い新たに 伊仙町で「戦艦大和」慰霊祭

2021年04月08日

地域

献花で戦没者の冥福を祈る参列者=7日、伊仙町犬田布岬

献花で戦没者の冥福を祈る参列者=7日、伊仙町犬田布岬

 戦艦大和を旗艦とする特攻艦隊の戦没将士慰霊祭が7日、伊仙町犬田布岬であった。54回目の開催で島内関係者ら約150人が参加。祖国防衛のために海に散った3737柱の冥福を祈り、恒久平和への誓いを新たにした。

 

 式典では大和が沈没したとされる午後2時23分に黙とうをささげ、神事や献花で戦没者の冥福を祈った。航空自衛隊の南西航空音楽隊15人が演奏を披露したほか、第9航空団司令所属のF15戦闘機4機が慰霊碑に面した海上を通過する慰霊飛行もあった。

 

 式典では、伊仙町の大久保明町長、第9航空団司令の高石景太郎空将補、寿肇県議会議員がそれぞれ慰霊の言葉を述べた。大久保町長は「今後も慰霊祭は地元有志で継続していく」と決意を述べた。

 

 初めて慰霊祭に参加した島内の60代女性は「多くの犠牲に今さらながら胸が痛くなった。昔の人がつらい思いをして築いた今の平和は私たち皆で守らなければならないと強く感じた」と語った。

慰霊飛行するF15戦闘機を見送る慰霊祭参列者

慰霊飛行するF15戦闘機を見送る慰霊祭参列者

 

 戦艦大和は1945年4月6日、山口県徳山湾沖から沖縄へ向け出撃。翌7日に鹿児島県坊ノ岬沖で米軍の攻撃を受け、沈没した。沈没地点は長らく徳之島西方沖とされてきたが、その後の調査で坊ノ岬沖であることが分かった。