放流ハージン、名瀬漁協で初競りに

2019年12月20日

地域

放流された個体とみられるスジアラ(県大島支庁林務水産課提供)

放流された個体とみられるスジアラ(県大島支庁林務水産課提供)

 県大島支庁林務水産課は、奄美市の名瀬漁協で17日に競りにかけられたスジアラ(ハージン)1匹が、過去に放流された個体とみられると発表した。発表は18日付。「スジアラの放流個体が確認できたのは過去にも例が少ない。貴重なデータになる」と話した。

 

 確認された個体は全長53・5センチ、2・1キロ。加計呂麻島沿岸で瀬戸内漁協の組合員が一本釣りで捕獲した。大きさから約7歳とみられ、2013年に瀬戸内地区漁業集落が放流した個体と推測される。同市のスーパー、グリーンストアが競り落とし、同店の入舟店で販売される予定。

 

放流個体は本来対になっている腹びれの片方が除去されている(県大島支庁林務水産課提供)

放流個体は本来対になっている腹びれの片方が除去されている(県大島支庁林務水産課提供)

 種苗生産している県水産技術開発センターによると、奄美群島内でスジアラの放流が始まったのは01年からで、これまでに約22万匹が放流されている。同センターが確認、報告を受けたのは今回を含め9個体。奄美市の名瀬漁協によると、放流個体が確認されたのは6~7年ぶりという。

 

 本年度は奄美市、龍郷町、大和村、宇検村、瀬戸内町と徳之島3町の8市町村で合計3万匹が放流された。放流個体は放流の効果を確認するため全て片方の腹びれを除去してから海に放されている。

 

 同課は「放流が水産資源保護に役立っているという貴重な資料になる。腹びれの片方がなかったり、小さい個体を捕獲した際は連絡してほしい」と協力を呼び掛けた。

 

 連絡は電話0997(53)1111同課まで。