災害時の食問題考える 集団給食協が研修会 名瀬保健所管内

2023年11月24日

地域

災害時の避難食などについて理解を深めた名瀬保健所管内集団給食協議会の研修会=22日、龍郷町

奄美大島、喜界島の栄養士など給食施設関係者で構成する「名瀬保健所管内集団給食協議会」(村田勇樹会長)の研修会が22日、龍郷町のりゅうがく館をメイン会場に行われた。災害時の食の確保などについて、専門家が講演。龍郷会場には福祉施設や保育園、病院などの給食施設関係者ら約20人が参加し、万一の災害に備えて、給食施設が果たす役割や留意点について考えた。

 

研修は各自治体も協力し、りゅうがく館を含む名瀬保健所管内の7会場をインターネットでつないで実施。会員以外の一般参加者も聴講した。

 

県栄養士会災害支援チーム鹿児島リーダーで、鹿児島女子短期大の改元(かいもと)香准教授が「備蓄食を再確認」の題で講話。東日本大震災の事例を紹介し、避難所には支援物資として穀類が過剰に届く半面、肉、野菜、乳製品といった食品が不足しがちで、栄養が偏りやすい点などを指摘。主に乳児など栄養支援が必要な対象者への対応について説明した。

 

食品の備蓄については、①帰宅できなくなった施設利用者②迎えに来たが、帰宅できなくなったその家族③施設職員④避難して来る近隣住民―などを想定し、通常以上の食事の確保が必要と助言。

 

改元准教授は「備蓄の種類の見直しと、災害時の献立作成、それを使った給食提供の訓練を日ごろからすることで災害に備えて」などと呼び掛けた。

 

瀬戸内町の土井一馬防災専門監は、今年6月の豪雨災害に伴い同町内で約4300世帯が一時断水した事例などを紹介。「3日間、水分を摂取できなければ生きられない」など、命を守るための「3の法則」を引き合いに、災害時の水確保の重要性などを伝えた。