神社全壊、石垣崩れたまま 瀬戸内町西古見

2018年10月12日

地域

崩れたままとなっているサンゴ石垣=11日、瀬戸内町西古見

崩れたままとなっているサンゴ石垣=11日、瀬戸内町西古見

 奄美群島に大きな被害もたらした台風24号、25号の影響が続いている。瀬戸内町の大島本島側西端にある西古見集落では金刀比羅神社の社殿が全壊し、観光名所の一つであるサンゴ石垣は4カ所が崩れたまま。池堂地区では県道曽津高崎線の路肩決壊による通行止めが続いている。一方、台風襲来以降、共同アンテナが壊れて視聴できなかった地上波テレビ放送は10日午後に復旧が完了し、家庭に娯楽が戻った。

 

 通行止め箇所はナハンマ公園から数百㍍進んだ海岸沿い。現在、公園化された戦争遺跡「旧陸軍観測所跡」まで行くことはできない。県大島支庁瀬戸内事務所によると、復旧のための測量、設計を行っている段階で、工事着工は12月以降になる見込み。

 

 ナハンマ公園前も高波で約15㍍ほど土が流され、町が立ち入りを禁止している。

 

 金刀比羅神社は、港を見下ろす高台にあり、かつてカツオ漁が盛んだった頃は海上安全と豊漁祈願のため、多くの漁船が立ち寄る場所として知られていた。同集落の茂節子区長(73)は「高齢者ばかりで、社殿のがれきの撤去も進んでいない状況だが、住民にとって大切な神社であり、再建したい。サンゴ石垣も専門の職人はいないが、土地の所有者と相談し、住民の力を合わせて修理したい」と話した。