移動支援車「きびきび号」始動 域内交通補い、観光利用も 大和村

2023年07月04日

地域

大和村内巡回の運行を始める村移動支援車「きびきび号」=3日、同村役場前

域内公共交通を補う大和村直営の移動支援車「きびきび号」が3日、運行を始めた。国直から今里まで村内全11集落を巡回し、移動手段を持たない住民や観光来訪者らの利用を想定。車両は同村のオリジナル曲「すなおにキビキビ体操」を流しながら走行し、利用者は沿道から手を挙げて合図すれば乗車できる。村企画観光課は「気軽に利用してほしい」と呼び掛けている。

 

大和村では民間事業者の路線バスが2019年4月に撤退後、村が大島タクシーに業務委託して各集落と奄美市名瀬中心部を結ぶ直行バスを運営している。移動支援車は直行バスが運行していない時間帯を埋める形で毎週月、水、金曜、各日往復2便を運行する。

 

移動支援車の乗客定員は8人。22年度に県市町村振興協会の助成金(宝くじ事業)を受けて415万8千円で購入した。専任の運転手2人と補助的な村職員8人が交代で乗り込み運行する。

 

利用者は運行ルート上の好きな場所で乗降可能。料金は一律100円を基本とし、65歳以上や未就学児、身体障がい者、運転免許自主返納者などは無料。運行ルートやスケジュールは村のホームページで確認できる。

 

「きびきび号」という名称は、同村思勝の開饒(ひらとみ)神社にまつられる直川智(すなお・かわち)が奄美大島にサトウキビ栽培を伝えたとされることにちなんだ。車体にはキビをモチーフにしたキャラクター「ウッギーくん」がデザインされている。

 

3日は運行開始を前に村役場で出発式を実施した。伊集院幼村長は「地域課題解決と交流人口拡大に役立てたい」と意気込み。村3役でテープカットを行い、村職員らで集落巡回へ繰り出す車両を見送った。