組織・事業所の必要性訴え 視覚障がい者による講演会 音楽で交流、意見交換も 沖永良部島

2022年10月18日

地域

講演会でサックス演奏を披露する佐野さん15日、和泊町

視覚障がい者による講演会(沖永良部視覚障がい者福祉協会、NPO法人エラブてぃぬひら主催)は15日、和泊町役場結いホールであった。サックス奏者の佐野彰芳さん(東京)、就労継続支援B型事業所を運営するNPO法人ロービジョンライフ沖縄理事長の本永美代さん(沖縄)が講演。それぞれ自身の経験を基に、視覚障がい者の組織や障がいがあっても働ける事業所の必要性を訴えた。

 

佐野さんは代筆・代読支援などさまざまな福祉サービスや周囲のサポートを得ながらの自身の自立生活の様子を伝えた。「世界中全ての人をミュージシャンにしたい」と夢を語り、障がいの有無に関係なく、一緒に楽しめる音楽の魅力も語った。

 

本永さんは中学校教諭をしていた40代で目の病気を発症し、盲学校教諭を経て事業所を立ち上げた経緯を語ったほか、携帯型拡大読書器など、視覚障がい者の生活を支援する機器を紹介した。

今回、佐野さんは関東で活動する自身を含めたバンドグループ計9人、本永さんは法人スタッフや運営事業所の利用者計9人で来島した。会場には地元沖永良部視覚障がい者福祉協会の会員や一般参加者ら約50人が来場。音楽演奏を通した交流や意見交換もあった。

講演する本永さん=15日、和泊町

視覚障がいのある来場者から「食事会に行ってもうまく食べられず、友人にも指摘され、行きにくくなる。皆さんはどうしているか」と質問があり、佐野さんは「そんなことは日常。大事なのはその場所が行きたくて行っているか、会いたくて会っている人かどうか。互いの心が伝わればそう気にならないのでは」などと助言していた。