長引くコロナ禍、現場から 保育園休園で保護者悲鳴

2022年02月06日

地域

新型コロナの影響で保育園が休園となり、家の中で過ごす親子=4日、龍郷町

新型コロナウイルスの「第6波」が国内全域で猛威を振るい、奄美にも押し寄せている。1月に確認された奄美群島在住の感染者は993人と4桁に迫り、いまだ収束の兆しは見えていない。長引くコロナ禍で、島の経済は疲弊し、社会機能へも多大な影響を及ぼしている。地域で起きているさまざまな課題を現場からリポートする。

 

2月4日、平日の午前中。龍郷町在住の女性(30代)は4歳の娘と一緒に、動画投稿サイト「ユーチューブ」で好きな動画を見ながらゆっくり過ごした。

今月に入り、娘の通う保育園で新型コロナの陽性者が確認され、翌日から約1週間の休園に。夫婦共働きだが、子どもの面倒を見るためにどちらかが仕事を休まなければならない。

 

「夫は休みが取りづらく私が休むしかない」と女性。コロナ下の中、学校や保育園からは子どもの体調がすぐれない場合は休ませるよう通達があり、これまでも頻繁に有休(有給休暇)を活用してきた。年度末で、有休はすでに使い切り現在の休みは欠勤扱い。

 

休んだ分だけ給与も減るが、「稼ぎが減るより家族がコロナに感染する方が怖い」と語る。女性は福祉関係の仕事。接している利用者にはマスクを着用できない人や、感染した場合の重症化リスクが通常より高い人もいる。

 

「自分が感染症を職場に広げてはいけない」と思う半面、同僚や上司への罪悪感もあるという。「10人未満の職場。1人休むだけで他の人への負担が大きい。園に『明日から休園』と告げられ、翌日以降の出勤を変わってもらうことに申し訳なさを感じる。園が休みというだけで、子どもは元気なだけにもどかしい」とため息をついた。

 

普段は島内で暮らす実家の父母を頼りにするが、「コロナだけは別。感染したら自分より重症化リスクのある高齢の親に、園が休みだからと子どもを預けられない。自分で何とかしないと」と語った。

 

龍郷町内の別の保育園に子ども2人が通う会社員の男性(30代)は、休園の措置がとられるたび、夫婦どちらかが有休を取るか、土日休みを平日に入れ替えてもらうなどし、対応している。「基本的には妻に休んでもらっているが、傷病休暇や有休の日数も残り少ない状況。今年に入りすでに保育園が3度、休園となり、共働き世帯には辛い。これから出張も増えるため、夫婦両方が休めない日に休園になったらと思うと心配」と不安を抱えていた。

県のまとめによると今年に入り新型コロナへの感染が確認された龍郷町在住者は145人(5日現在)。同町によると先月以降、町内の6保育園のうち4園が、新型コロナの影響で休園措置をとった。

(この企画は不定期で掲載します)。