21年度の全線開通へ 住民参加のワークショップ 「地域の宝」再確認 自然遺産奄美トレイル
2018年11月30日
地域
県は奄美大島と徳之島の世界自然遺産登録に向け、奄美群島をつなぐ長距離の自然歩道「奄美トレイル」のコース設定を進めている。群島内を14地区に分け、それぞれ3~4通りのルートを設定。29日現在、喜界島以外の4島で4地区計15ルートが開通した。2021年度までに順次開通させていく。コースが決まっていない地区では本年度、住民参加のワークショップが開かれており、参加者はコース設定の鍵となる「地域の宝」を再確認しながら、意見やアイデアを出し合っている。
奄美トレイルは、群島全体への世界自然遺産登録効果波及が目的。既存の道を利用し、距離は各コース10㌔程度に設定する。群島内のトレイルコース選定は16年度にスタートした。
ワークショップの内容はトレイルについて専門家の講話による理解の浸透や、コースの素案づくりへ向けた各地区の自然や伝統文化、景勝地、食べ物などの「地域資源」の抽出、複数のコース案からの絞り込みなど。具体的なルート決定まで複数回開く。
本年度は19年度以降の開通を目指す7地区(奄美市名瀬、同笠利町、瀬戸内町本島部、同島しょ部、大和村、龍郷町、天城町)で実施している。27日には瀬戸内町の島しょ部、29日には龍郷町と奄美市笠利町で初のワークショップが開かれた。
龍郷町のワークショップは町役場会議室であり、町内各集落から21人が参加。町内を①秋名―安木屋場②龍郷―玉里③浦―中勝④戸口―赤尾木―の4地区に分け、それぞれの地区で意見交換。隕石でできたとされる赤尾木の「奄美クレーター」や、「かがんばなトンネル」に夕日がかかる「龍の目」などを資源とするルートが提案され、参加者からは「足元の資源を見直す良い機会にもなった」などの声も寄せられた。